HTML 化の過程で体裁に多少の変更は加えたが内容は 1992 年段階のままである。したがってこれを「現在のマナー」と考えられるのは不本意であり、ここに公開する目的も「歴史的資料としての保存」「新しい合意形成のための叩き台提供」であることを理解されたい。
 なお、当ページに対するリンクは自由である。また転載などに関する規定は凡例の通り。但し 96 年現在の著作権者の連絡先は fumitake@st.rim.or.jp となっている。

細川 啓(SDI00733@niftyserve.or.jp


《パソコン通信マナー集》
 第2版(1992年 7月12日)

●はじめに

 パソコン通信は新しいコミュニケーションの手段です。基本的には一般の社会の 延長ですが、新しい世界ではあなたの今までの常識が必ずしも相手に通用するとは 限りません。基本原則は、【この世界は広く、いろいろな人が居る】ということで す。日本全国、いや世界中で日本と電話の通じるところにいる人ならば、あなたの 書いたものを読む可能性があるのです。

 パソコン通信では技術的な制約、メディアとしての特性からくる幾つか実質的な マナーや注意とでも言うべき「暗黙の了解」が存在します。しかし、これらはその 状況やフォーラムによって細部が異なったり、「押し付け」になる可能性があるこ とから今まで明文化されることがあまりありませんでした。しかし、パソコン通信 も拡大する一方で、いつまでも「暗黙の了解」で済まされる段階ではないと考え、 無用なトラブルを回避するためにもフォーラム活動を中心にマナー集を作成しまし た。

 もっとも、所変われば品変わると言います。ここに書かれていることが全てでは ありませんし、場合によって細かい取り決めは異なります。また、フォーラムによっ てはここで上げた避けるべき事項も容認あるいは推奨していることもあります。慣 習を尊重しながら根拠を求めて共通項を選んだつもりですが、これが絶対的なもの ではありません。さらに技術的な制約については今後の改善が期待されます。

 フォーラムにはローカルルールを設定しているところもあります。フォーラムに 入会した場合はメニューのトップにある「お知らせ」は必読です。

●凡例

●基本的なマナー

 (1) NIFTY-Serve の会員規約を守ること。全文は <GO RULES> で読めます。また、ニ フティ社からの基本的なお願いにも目を通しておきましょう。

 (2) NIFTY-Serve には自己紹介を登録するプロフィール機能がありますので、利用 しましょう。これにより貴方からメールを受け取った人や、貴方のフォーラム での発言を読んだ人が”どんな人かな?”と思ったときに「PROFコマンド」で 参照することができます。
 「PROF XXX99999(自分のID)」 と打ってみて、「−該当する利用者のプロ フィールはありません−」と表示されるようでしたら、<GO PROFILE> と打って 自己紹介などを登録されることをお薦めします( 100行まで登録できます)。
 ただし、内容が長すぎるのも考えものですし、電話番号や住所を全て記入す ることは、悪用されるおそれがありますから避けましょう。
 なお、匿名はシステム的に認められていますから、そのことだけをもって非 難されることはありません。身元を明かせない、明かしたくないという立場は 尊重されます。

例)|ID:XXX9999 本名:山田一太郎 住所:東京都港区 ハンドル:一太郎
  |
  |趣味:草野球 職業:フリーター その他:私は野球大好き人間なので、
  |
  |野球が好きな人はメールを下さい。

 (3) 発言(書き込み)については、常に”読む人”のことを意識し、独り善がりな 内容にならないように注意しましょう。また、自分の発言した内容については 自分自身が責任を負わなければなりません。

 (4) 長文の発言は予めワープロなどで作成しておくことをお薦めします。オンライ ンでの発言は文字化けを起こしやすく読みにくくなりがちです。また、発言を したら、その場で読み返して文字化けや登録場所の間違いが無いことを確認し ましょう。

 (5) アクセスの頻度や日常生活は人それぞれによって異なります。メールを出した のにすぐに返事が来ないとか、発言ヘの反応が無いと言ってイライラするのは 賢明とはいえません。逆に、あまり頻繁にアクセスをしない人はメールを読み 落としたり(2週間で削除される)、相手を待たせたりする可能性があること を心しましょう。

 (6) なんらかのトラブルが生じた場合、フォーラムにあってはまずその SYSOPに、 それ以外ならセンターに相談・連絡しましょう。 SYSOPへの連絡は SYSOP宛メー ル <SYM> 、センターへの連絡はセンターメール <GO CENTER> or <GO FEEDBACK> でできます。
 残念なことに、数は少ないながらも掲示板の「売ります」や「買います」を 悪用した詐欺事件や女性への性的な嫌がらせが報告されています。被害にあっ たり不審な出来事があった場合は臆せずセンターへ報告してください。

●会議室(フォーラム)でのマナー

◎法律・規則に触れる行為

 (1) 著作権を侵害する発言は禁止です。このような発言があった場合は、発言者の 了解を得る事なくフォーラム側により削除されます。パソコン通信での発言な ど(電子メールとホームパーティーを除く)は、著作権法で認められた私的使 用にはあたりません。普段の感覚でいると思わぬ法律違反になります。

 (2) 引用をする場合、出所を明記して正確に引き、また発言においては引用部分は 本文に対して従属的なものでなければなりません(発言全体の中で引用部分が 主であってはならない。(1) に関連)。なお、未公表の著作物の引用には著作 権者の許可が必要です。

 (3) メールやCB(RT)の内容を、発言者に無断で会議室・掲示板に載せることはで きません。プライバシー、著作権の侵害に当たることがあります。通常の郵便 物においても、受取人が得るのは所有権だけで、著作権は基本的に発信人に残っ ています。

 (4) 歌詞など音楽著作物の取り扱い、その他著作権全般に関しては 「NIFTY-Serve 会員規約とお願い」<GO RULES> の5番に解説されています。

 (5) NIFTY-Serve 以外のネットからのプログラムや発言の転載は、必ず著作権者の 許可を得て、条件があればそれを遵守して行ってください。また、転載に関す る相手ネットの規約をよく調べることが必要です。NIFTY-Serve のフォーラム からの転載については、まず著作権者(発言者・作者)の許可が、また複数に わたる場合やメニュー画面についてはSYSOP およびニフティ社の許可が必要で す。(詳しくは各SYSOPに相談)

 (6) フォーラムにおいてはSYSOPおよび運営についてSYSOPの委任を受けた者(スタッ フ)の指示に従いましょう。その指示に反した発言などは削除され、またフォー ラム会員資格を剥奪されることがあります。

◎円滑な参加のための心がけ

 (7) 質問の発言をする時は、なるべく状況や質問事項を詳しく書きましょう。質問 者自身がどこまで理解しているかを明確にしなければ、回答する側も困ってし まいます。「パソコン通信について教えて下さい」だけといった具体的でない 漠然とした質問には回答がつく期待も薄いでしょう。

 (8) 発言に際してはフォーラムや会議室の特性を考慮しましょう。なお、複数のフ ォーラムに同一内容の発言をする場合は、末尾にでもF***同時掲載と入れた方 が良いでしょう。

 (9) 同じ内容のものを同一フォーラム内で複数の会議室に同時に発言すること(マ ルチポスト)は避けましょう。

 (10)会議室の性格にもよりますが、フォーラムの常連だけ(一部の人)にしかわか らない言葉や話題には注意し、常に他の人達や新人さんのことも意識しましょ う(特にオフラインの話題や、RTでの話題、一部の人だけで流行っている言 葉、伏せ字などは要注意)。

 (11)個人的な内容(他人には分らないもの)はメールでやりとりしましょう。会議 室は皆のもの(公の場)です。

 (12)自分が得た情報を提供する場合はよく内容を確認し(噂なのか、公式の情報な のか、情報源はどこかなど)、デマや間違いには注意しましょう。

 (13)言葉の使い方には気をつけましょう。顔をつきあわせての会話では表情や声の 抑揚などで表現をカバーしますが、パソコン通信上では文字だけですので、読 み手を意識して言葉を使いましょう(冗談めいた言葉の後に「(^_^)」 などの フェイス・マークを使用するのもテクニックですが、これを過信するのもトラ ブルの原因となることがあります)。

 (14)かな漢字の誤変換は誤解や思わぬトラブルの元です。発言前にチェックを忘れ ないようにしましょう。また、他人の間違いを見つけた際には恥をかかせるよ うな形での指摘は避けましょう。メールでそっと教え、本人に訂正させること も一つの方法です。

 (15)言葉尻だけをとらえた発言や、揚げ足取りの発言は避けましょう。トラブルの もとです(論争中の場合は特に)。

 (16)パソコン通信では議論が不必要に感情的になり、不毛なものになるケースが多 く見られます。反論などはよく読み返し、回答の急ぎすぎには注意した方が無 難でしょう。引用の多用、揚げ足とり、個人批判には特に注意(各項に関連)。

 (17)金銭が絡む発言(売ります、買います)については、発言する場合も応募する 場合も充分注意しましょう。なお、利益を目的とした営業行為はNIFTY-Serve の会員規約で禁止されています。

 (18)会議室はRTとは性格が異なりますので、発言が一言だけ(「そうだね」など) の発言や、極端に短い発言は避けましょう。

 (19)発言番号の1桁、ゾロ目などを取ることだけを目的とした発言は避けましょう。 これを「番号取り発言」と言い、あまり歓迎されません。

 (20)会議室がオープンしたばかりの際に「おめでとう」といった歓迎発言をする際、 できるだけ他の話題なども一緒に書き込みましょう。「おめでとう」だけの発 言ばかりが続くと”読む人”に飽きられてしまいます。

 (21)プロフィールなどで、自分の電話番号や住所を公表するのは悪用される危険が あるので要注意です。不用意に教えたりせず、教える場合にもメールを使用す る配慮が必要です。

◎技術的助言(機械やソフト、あるいはアクセスの仕方の違う人への配慮)

 (22)タイトルの一覧を表示してから発言を読む人もいますので、発言のタイトルは なるべくわかりやすく、発言の内容に即して具体的かつ簡潔に書き、「ところ で」だけなど意味不明なものは避けましょう。

 (23)会議室の発言は読みやすさに気を配りましょう(段落ごとに空白行を入れて画 面に文字がビッシリ埋らないようにするなど)。印刷せずに画面だけで読む人 への配慮です。

 (24)発言に際しては1行は全角40字未満とし、改行(リターン)を入れるように しましょう。これは見やすさや、マシンによっては処理できる1行の文字数に 制限がある人への配慮です。

 (25)機種依存(特有)の文字や、外字文字などを使うのは避けましょう。パソコン 通信には様々な機種のパソコンやワープロのユーザーがいます。

 (26)地図など簡単な図を書く時は「+−|/\」、「+-|/」などの記号を用い、罫 線の使用は避けましょう。罫線は機種依存(特有)の文字なので、自分の使っ ている機種以外のユーザーでは見えないことがあります((25)に関連)。

例)   +---+     \ \
     |  |      \ \
  +----+---+----+  −−+ +−−
  |       |    蔵前通り
  +-------------+  −−−−−−−

 (27)発言中に他人の発言などの引用を用いる場合、わかりやすさやソフトの誤動作 などを考慮して引用符(「;」、「|」、「;」 、「|」 、「>」 、「:」 な ど)を用いることを薦めます。ただし、引用符として「>」、「:」を行頭に 使用するのはオートパイロットやログ整理ツールに影響が出る場合があります ので避けましょう(「>」と「:」はNIFTY-Serve のコマンド・プロンプトと 同じ記号のため)。
 ログ整理ツールやオートパイロットはフォーラムや発言の区切りの文字列を 認識して動作します。したがって、引用符を用いずに発言の引用などをすると 識別文字列が発言中の行頭にきてしまい(ログをそのまま盛り込むと)、オー トパイロットなどが誤動作してしまいます。

例)|999/999  ABC12345 一太郎      私の自己紹介です。
  |( 1)   92/04/01 00:00
  |
  | 皆さん初めまして・・・・

●役立つデータ

  1. 「機種依存する文字」        (登録:FGALTM DL 2,#1-2 )
  2. 「通信では危険な文字コード」    (登録:FGALTM DL 2,#4  )
  3. 「ネットワーキングのノウハウ(v2.0)」(登録:FGALTM DL 2,#5-6 )
  4. 「ウイルス対策基準(通産省告示)」 (登録:FGALTM DL 2,#7  )
  5. 「ウイルスを避けるために」     (登録:FGALTM DL 2,#8  )
  6. 「著作権法(92/01/01)」       (登録:FGALTM DL 2,#10-11)
  7. 「パソコン通信用語集(第2版)」  (登録:FGALTM DL 2,#12-13)
  8. 「公式NIFTY簡易マニュアル」  (登録:FGALM  DL 4,#11-12)
 ※ここに挙げたデータの登録場所は、オリジナル(原本)の登録場所とは限りませ ん。分りやすさを考慮して、FGALTMを中心に載せています。

− 以上 −


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